DV加害者がDVと自分に向き合うブログ

ある日突然DV加害者となったkuroが、DVと自分に向き合い感じたことを、当事者の立場から綴ります。

最近思うこと。

 前回の更新からずいぶん時間が経ってしまいました。

 先日元妻からの電話があったので、少しずつ書き進めていたこの記事より先に、そのお話を上げてしまいましたので、色々前後することがあるかもしれません。

 最近も相変わらずの充実した生活を送っている私ですが、ここ最近色々と考えたことがあったので書いてみようと思います。




仕事もプライベートも順調


 現在の仕事は拘束時間が長く、休みが削られる事はしばしば。

 始めて貰った給料も、前職の半分程度しかもらえず、未だ前職の貯金を食いつぶす生活をしています。

 そんな普通に考えたら苦痛で仕方ないような状況でも、気持ちを前向きにするために、あえて貯金を使い込んでみるなど、私自身はそれを苦痛に感じることは無く、前向きに楽しみながら仕事に取り組めています。

 今月になってようやく自分の力も花開いたようで、中々良い実績を維持できています。

 しかも仕事だけに囚われることなく、プライベートでも、なかなか充実した日々を送っており、文字通り公私共に充実した日々を送っております。

 たまにふと襲ってくる不安な気持ちも、だんだんと落ち着いてきました。

 まだまだこの先どうなるかわかりませんが、最悪今の職を失っても、生きて行くには困らない程度にお金を稼ぐことは出来るだろうと楽観できていることが、今の職での良い結果を招いているんだと思っています。




母子で生活する苦悩


 私はこれまで、自己の気付きや変化のために、自身のより内面に内面に意識が向いていることが多かったように感じます。

 その甲斐もあってか、日々の生活を前向きに楽しく送れていたのですが、最近になって、自分に関わる周囲の人を含めた自身のあり方について考えるようになってきました。

 そうやって考えをすすめるうちに、元妻や娘を始めとする母子が抱える葛藤や苦悩について思い至るようになりました。

 そこで強く感じた事は、問題を抱えた母が母子で生活しながら抱えた困難を解決することは、単身の私よりもはるかに困難なのかもしれないと言うことです。

 私が学びを続けさせて貰っている場には、もちろんDVの被害者とされた女性もおり、私の元妻と娘に歳が近い方がおられます。

 それ以外にも個人的な繋がりでもDV被害者とされた、歳が近い母子と関わらせて貰っているのですが、そんな方達と対話を重ねていくうちに感じる事は、母子で生活してるが故の葛藤や、生活が一個人でない故に自己完結の考え方に至りにくいのだろうと言うことです。

 子供を育てながら生活を成り立たせるのは私には想像も出来ない苦労でしょうし、葛藤もあると思います。

 私は単身で身軽な立場になれたからこそ早く気付きを得られ、多少なりとも変化するきっかけを得られたのだと思います。

 さらに気がついたことは、私は、母子のそのような葛藤や苦しみに気付きながらも、目を背けていた事実です。

 私はそれに気付いたとき、とても残酷な事をしていたんだと、一度は自己を責める気持ちになってしまい、かなり落ち込みました。

 ただ、見方を変えれば、その当時の私にはどうしようも出来ない事に心苦しめること無く、葛藤がより自己の内面に向かったことも、気付きを早めてくれた結果なんだと感じています。

 もしかしたら自己が変化していく過程おいて、周囲の事や自分以外の者への配慮や思い至りがなるなる時期があるのかもしれません。

 私は変化していく過程の中で、離婚は私が起こした問題であると感じながらも、「自分だけが起こした問題では無いのだから、自分ばかりを責めるのは辞めよう」という変化のために心がけていた意識が、その事実から目を背ける事に繋がっていたんだと思います。

 このことは、先日妻から掛かってきた一方的な電話の内容でも、さらに気付かされました。

 私を責める数々の言葉の中に、「相手からしたら、確かにそう捉えられても仕方が無いな。」なんて思うことが多々ありました。

 でも1年以上ぶりに掛かってきた元妻の電話から、そんな元妻の心情に思いを寄せることが出来たことが嬉しくてたまりませんでした。

 こうやって気付きを与えてくれた元妻に対して、あらためて心から感謝の気持ちを持つことができました。



元妻への働きかけ


 先日妻から電話が掛かってきたのも、私から少し働きかけをしていたからだと思います。

 恐らく、住んでいるであろう住所や連絡先はわかってしまっているんですが、もちろん私から訪ねることはしていません。

 そんな私が現在出来ることと言えば、必要な連絡事項だけでも連絡をとれるようにして欲しいと、共通の友人を介してや、元妻の親族に働きかける事くらいでした。

 正直、中々動いてくれない元妻の親族に動いて貰うようにかなり強いことも言ってしまった節はあります。

 言ってみたら私自身がコントロールを利用してしまったことにはなりますが、意図した上で目的がはっきりとしたコントロールは必要なのかなとも思えています。

 そうやって働きかけている私の最終的な目標は、未だ気付きを得られず葛藤を抱えているであろう元妻のケアをすることです。

 それは決して元妻に未練があると言うことでは無く、元妻が抱えたその問題を娘に連鎖する事が無いようにしたいという思いからであり、娘が万が一葛藤を抱えるようなことがあれば、そこは私がしっかりとケアできるような存在になりたいからです。

 電話の内容からは、未だ誰かにコントロールを受ける元妻が見え隠れし、子の福祉への理解の乏しさや、自己の価値観を子供に投影をしてしまっている節が感じられました。

 道のりは長いのかもしれませんが、何かしらの手だてを考えてみようと思います。



いま、思うこと


 当時を振り返ってみると、当時はかなりの大騒ぎでしたし、私は大金を失い、その大金は元妻と娘に渡ることは無かったです。

 あの一件で家族の人生が大きく変化したんだなぁとしみじみ思います。

 この大変な状況を超えたことで、家族全員が本当に楽になることが出来て、前向きに生きていける結果ならばそれも意味があるんでしょうが、ただ離婚するだけでは何の解決にもならないことは身をもって痛感しました。

 これじゃあ何のための離婚だか全くわかりません。

 何だか離婚で得をする誰かのために離婚したようで本当に不本意です。

 私は未だに、支援のための支援を正義とする某団体に不満を持っていますし、それに関わる制度にも疑問を感じています。

 だからこそ、離婚が意味のあったものになるように私が出来ることをしっかり前を見据えてやっていきたいと思っています。



私の学び


 今月は私がケアを出来るようになるための学びをするため、3カ月に一度の京都へ行ってきました。

 擬似的なグループワークのファシリテーターを体験させて貰えたりと、私の学びか着実に進んでいる事を感じることが出来て、たまらなく嬉しいです。

 もちろん毎月の学びの場へも顔を出して、自己と向き合うことも続けています。

 さらに最近の私の学びの場は、より実践の場へもステージを移しつつあり、職場やプライベートなどの生活の中でも、学んだ事を生かせている事を感じています。

 最近になって、新しい職場の限られた人には、私のこれまでの経緯や現在の状況を語るような場面が出て来ました。

 私は現在平社員ですから、関わる社員は、比較的若い年齢層の子が多く、その子達には私のこれまでの経緯は刺激的なようで、とても関心を持って聞いてくれます。

 特に若い子達はそうなのですが、私が私を語ることで、相手もまた自己を語り、職場では一切出すことの無い一面を見せてくれたりするようになりました。

 一見仕事とは関係の無いようなことですが、それが職場での信頼関係はより強固なものにしていることを感じています。

 その上で、私が前向きに仕事に取り組む姿勢をみて、私に好感を持ってくれる若い世代が多いようです。

 最近の上司の面談などでは若い社員が目標とする人として、同じ平社員の私の名前がよく上がって来ているようで、上司も困惑していました。笑

 私がここで得た信頼関係は、この後私が責任を持つ身分になったときに確実に生きてくることを感じているので、そんな意味でも私のしていることは意味を持っているのだろうと思います。

 そうやって、私がこれまで学んできた様々なことが実践の場で生かされて、私と関わる人が少しでも前向きになれて、更にそれが私の学びになり、私を確実に変化させているこの循環が、今はたまらなく嬉しいです。

 自己を回復させるためには、決して失った家族で無ければいけない理由はないんだと、身をもって実感しました。

 ただ、私の最終的な目的は、娘が抱えるであろう葛藤をケアすることには変わりないので、様々なことを多角的に挑戦していきたいです。



おわりに


 私は未だ、変化の途中にあります。

 変化の過程の中で様々な矛盾やつじつまの合わないこと、人から後ろ指さされるようなこともあると思います。

 しかしそれは自己の中の変化をもたらすために起きていることだと理解しているので、致し方ない事だと思います。

 私はこれまで、人の矛盾や理不尽さを突くような生き方をし、自己にもそれを求め苦しい生き方をしてきました。

 しかし本当に大切なのは、その心情を理解して貰えるようにしっかりと相手に伝えること、そして自らも、相手のそんなところを受容する事だと気付けました。

 これからも、もっと学びのスピードを上げて、自己の変化をすすめていきたいと思います。